みなさん、こんにちは! 管理人のアリーナです。
今回は、ご自宅で「熱帯魚や爬虫類」などを飼っている方に向けて、おすすめポータブル電源を紹介します。
結論から言うと、熱帯魚や爬虫類を飼育しているなら、季節を問わず「UPS(無停電電源装置)機能付きのポータブル電源」を備えておくことが最大の防衛策です。
冬の寒さだけでなく、夏の猛暑による水温上昇もまた、わずか数時間で生体を全滅させる致命的なリスクを持っています。
断熱シートや保冷剤といった応急処置だけでは、外出時や深夜の停電に対応できず、手遅れになるケースが後を絶ちません。
本記事では、あなたの水槽サイズに合わせた具体的な電力シミュレーションと、おすすめの最新機種をわかりやすく解説します。

記事の最初に、おすすめするポータブル電源3モデルを紹介します。なぜ、この3機種がおすすめなのか? 詳しく知りたい方は、ぜひ続きをご覧ください!


30cm小型水槽用


60cm標準水槽用


90cm大型水槽用
1. 季節を問わない停電の恐怖:冬の「凍死」と夏の「酸欠・腐敗」


熱帯魚や爬虫類の「停電対策」と聞くと、「冬のヒーター対策」が真っ先に思い浮かぶかもしれませんが、実は夏の停電の方が「全滅」までのスピードが圧倒的に早いことをご存知でしょうか?
日本の四季において、水槽の電源が落ちることは、生体にとって「生命維持装置が外れる」ことと同義です。
冬の停電は、静かに、確実に命を奪う「凍死」のリスク
冬場に電気が止まると、水槽の中の水温は1時間ごとに確実に低下し、次のようなリスクが襲い掛かります。
・低体温ショックリスク:
水温が20℃を下回ると、魚の免疫力が激減し、致命的な病気の原因になります
・凍死のリスク:
多くの熱帯魚は15℃以下で活動を停止し、そのまま凍死するように命を落とします。 断熱材や毛布を巻いても、電源がない限り「温度低下を少し遅らせる」ことしかできません
夏の停電は、わずか数時間で「地獄」と化す猛暑のリスク
実は、冬よりも恐ろしいのが夏の停電です。高水温は以下のダブルパンチで水槽を壊滅させます。
・酸欠リスク:
水温が上がると、水中に溶け込める酸素量(溶存酸素)が物理的に激減。魚たちは水面でパクパクと苦しみ始め、逃げ場のないまま窒息します
・毒物パニックリスク:
ろ過ポンプが止まると、酸素を必要とする「善玉バクテリア」が数時間で酸欠死します。その死骸が猛毒のアンモニアを発生させ、水槽内は一気に「死の沼」へと化すリスクが極めて高まります



このように、冬は「寒さ」、夏は「暑さと水質悪化」が牙を剥きます。 どちらの季節も、「数時間の無策」が生体の全滅を招くという点では同じです。いつ起きるか分からないのが「停電」の恐さです。愛着のあるかわいい生き物を守れるのは、飼い主であるあなたが用意した「予備電源(ポータブル電源)」があるかどうかにかかっています。
2. 「死守すべき機材」と水槽サイズ別電力目安
停電という絶体絶命の状況に直面したとき、最も重要なのは「生命を第一に考えた優先順位をつけること」です。
照明やCO₂電磁弁、殺菌灯などは、停止しても直ちに命に別状はありません。限られたポータブル電源の電力は、水温維持のためのヒーターやクーラーなど、生命維持に直結する機材に集中させましょう。
【要注意】季節によって「主役」の電力消費が変わる
生き物の命をつなぐ「ヒーター」や「クーラー」を動かすには、次のような特徴を理解しておく必要があります。
冬の難敵「ヒーター」:
水温を維持するために、水槽サイズに比例して消費電力が跳ね上がります
夏の難敵「クーラー」:
コンプレッサー式クーラーは、動き出す瞬間に大きな電力(突入電流)を必要とします。最大瞬間出力が低いポータブル電源では動かないリスクがあるため注意が必要です
あなたの水槽なら、停電時に何ワット必要か?以下のリストで確認してみましょう。
① 冬の死守機材:ターゲットは「保温」
冬に停電時は、水槽内の水温を1度でも下げないことが何より大切です。
水槽サイズによって、それぞれの消費電力は異なりますが、参考まで平均的な消費電力をまとめました。
| 機材名 | 30cm水槽 (小型) | 60cm水槽 (標準) | 90cm水槽 (大型) | 重要度 |
| 水槽用ヒーター | 50W | 160W | 300W | 絶対必須 |
| フィルター/ポンプ | 3W | 10W | 25W | 必須 |
| 合計(最大) | 53W | 170W | 325W |



「水槽用ヒーター」は、止まると数時間で致命的な低水温になります。また、「フィルター/ポンプ」は、止まるとバクテリアが死滅し、水が腐る恐れがあります
爬虫類の飼育に必要なパネルヒーターは、ケージ温調に必要で、消化機能の停止を防ぐために使います。パネルヒーターのおおよその消費電力は以下の通りです
| 機材名 | 30cm水槽 (小型) | 60cm水槽 (標準) | 90cm水槽 (大型) |
| パネルヒーター等 | 約10W | 約30W | 約60W |
② 夏の死守機材:ターゲットは「酸欠・腐敗防止」
夏の停電は、高水温による「酸欠」と、バクテリア死滅による「水質悪化」を防ぐことが大切です。
水槽サイズごとの平均的な消費電力は次の通りです。
| 機材名 | 30cm水槽 (小型) | 60cm水槽 (標準) | 90cm水槽 (大型) | 重要度 |
| クーラー/冷却ファン | 4W (ファン) | 150W (クーラー) | 250W (クーラー) | 絶対必須 |
| フィルター/ポンプ | 3W | 10W | 25W | 必須 |
| エアーポンプ | 2W | 2W | 5W | 推奨 |
| 合計(最大) | 9W | 162W | 280W |



「クーラー/冷却ファン」は、止まると酸欠と水質悪化を引き起こします。「フィルター/ポンプ」は、止まるとバクテリアが死滅し、水が腐る恐れがあります
表の数字を見て「こんなに電気を使うなら、すぐにバッテリーが切れるのでは?」と不安になった方も安心してください。ヒーターやクーラーは、設定温度に達すると自動で止まる「サーモスタット」で制御されています。ずっとこの電力を消費し続けるわけではなく、実際の消費量はこれより30〜50%ほど少なくなるのが一般的です
3. 【徹底シミュレーション】ポータブル電源で「何時間」持たせられるか?
それでは、熱帯魚や爬虫類を守るためのポータブル電源選びに話しを進めましょう。
大切な命にかかわることなので、少しだけ細かい話をします。
ポータブル電源を選ぶとき、「容量1000Whなら、100Wのヒーターが10時間動く」と考えてはいませんか?
実はこれ、大きな間違いです。
実際の運用では、ポータブル電源が電気を送る際の「変換ロス(約20%)」を差し引かなければなりません。
さらに、冬場の停電時は暖房が止まり室温が下がるため、ヒーターの稼働率が跳ね上がることも計算に入れる必要があります。
実情に近い計算式はこちらです。
【限界時間の計算式】
容量(Wh) × 0.8(ロス分) ÷ 1時間あたりの平均消費電力 = 維持時間



この計算式を使い、どれくらいのポータブル電源があれば安心できるのかをシミュレーションしました
水槽サイズ別:限界時間の目安リスト
前の章で紹介した機材の消費電力を元に、推奨されるポータブル電源容量と、維持できる時間をまとめました。
| 水槽サイズ | 推奨される ポータブル電源容量 | 冬 (ヒーター使用時) | 夏 (冷却ファン使用時) |
| 30cm小型 | 500Wh前後 | 約10〜14時間 | 約3日以上 |
| 60cm標準 | 1000Wh〜1500Wh | 約8〜12時間 | 約2日以上 |
| 90cm大型 | 2000Wh以上 | 約10〜15時間 | 約1.5日以上 |
※冬場は停電による室温低下を考慮し、ヒーター稼働率60%で算出
アクアリスト(観賞用の水槽で魚や水生生物を飼育・管理する人)に最も多い「60cm規格水槽」の場合、1000Whクラスのポータブル電源が安心の最低ラインです。
これ以下の容量だと、就寝中に停電が発生した場合、明け方にはバッテリーが尽きて水温が急降下し始めるリスクがあります。
「朝起きたら手遅れだった」という悲劇を防ぐには、余裕を持った容量選びが不可欠です。



もし「24時間以上の停電」も想定して万全を期すのであれば、より大容量なモデルを選びつつ、ソーラーパネルをセットで備えておくのがおすすめです。太陽さえ出れば自分で電力を生み出せる。その安心感は、何物にも代えられません
4. 【厳選】停電から命を守る!水槽用ポータブル電源おすすめ3選
突然の停電に備えアクアリストが選ぶべきは、普段からコンセントに繋ぎっぱなしでOKな「UPS(無停電電源装置)機能」を備え、かつ軽量コンパクトで扱いやすい特徴を持つポータブル電源です。
ここでは水槽のサイズに応じたおすすめポータブル電源を3つ紹介します。
どのポータブル電源も、冬に動かしたい機材(水槽用ヒーター、フィルター/ポンプ)を10~15時間程度動かせるスペックを持つ、2024年~2025年に発売された高性能で多機能なモデルです。


30cm小型水槽用
冬で約10〜14時間維持
コンパクトでも妥協なし。場所を取らずに命を守る
Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 500NEW
容量(Wh):512Wh
定格出力(W):500W
最大出力(W):1000W
バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン電池
サイクル数:6000回(70%)
重量:5.7Kg
サイズ:311x205x157mm
静音性:36dB(充電時)32dB(動作時)
出力ポート:6口(AC2、USB-A1、USB-C2、シガー1)
充電:AC最速70分、ソーラー最速3.4時間
パススルー:〇 UPS:〇10Ms LEDライト:〇 スマホアプリ:×
保証期間:最長5年
2025年7月発売のJackery 500NEW ![]()
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| 維持時間の目安(冬) | 維持時間 | 備考 |
| 30cm小型水槽 | 約10〜14時間 | 一晩をギリギリ守れる程度 |
| 参考:60cm標準水槽 | 約4時間 | 一時しのぎ程度 |
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60cm標準水槽用
冬で約10〜15時間維持
迷ったらこれ!信頼と実績のベストセラーモデル
Jackery(ジャクリ) ポータブル電源 1000NEW
容量(Wh):1070Wh
定格出力(W):1500W
最大出力(W):3000W
バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン電池
サイクル数:4000回(70%)
重量:10.8Kg
サイズ:327×224×247mm
静音性:30dB以下
出力ポート:7口(AC3、USB-A1、USB-C2、シガー1)
充電:AC最速1.7時間、ソーラー最速3時間
パススルー:〇 UPS:〇20Ms LEDライト:〇 スマホアプリ:〇
保証期間:最長5年
2024年7月に発売されたJackery 1000NEW![]()
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| 維持時間の目安(冬) | 維持時間 | 備考 |
| 60cm標準水槽 | 約10〜15時間 | 深夜の停電でも朝まで安心できる程度 |
| 参考:30cm小型水槽 | 約24時間以上 | 丸一日守れる程度 |
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90cm大型水槽用
冬で約10〜15時間維持
一瞬の電源断も許さない。高級生体を守る最強の盾
EcoFlow(エコフロー) ポータブル電源 DELTA3 Max
容量(Wh):2048Wh
定格出力(W):2200W 電力ブースト:2700W
最大出力(W):4400W
バッテリー:リン酸鉄リチウムイオン電池
サイクル数:4000回(80%)
重量:20.3Kg
サイズ:494x242x305mm
静音性:25dB以下(動作時)
出力ポート:9口(AC4、USB-A1、USB-C3、シガー1)
充電:AC最速108分、ソーラー最速5.1時間
パススルー:〇 UPS:〇10Ms LEDライト:× スマホアプリ:〇
保証期間:5年
2025年9月に発売されたDELTA3 Maxは、ベストセラーのDELTA 2 Maxシリーズをさらに高性能にした、新世代モデル「DELTA 3 Maxシリーズ」の製品です。2,000Whクラスのポータブル電源としては飛びぬけて軽量で、重さはわずか20.3kgしかありません。出力性能も優れており、定格出力は2,200W、最大出力は4,400W、そして電力ブースト機能で2,700Wまで対応します。図書館よりも静かな25dB以下の動作音や、10ms以下で給電が切り替わるUPS機能など、最新技術で格段に進化しました。充電方法も豊富で、AC充電なら108分で満充電できるほか、走行充電では500Wのオルタネーターを使えば約4.4時間で満充電が可能です。
| 維持時間の目安(冬) | 維持時間 | 備考 |
| 90cm大型水槽 | 約10〜15時間 | 深夜の停電でも朝まで安心できる程度 |
| 参考:60cm標準水槽 | 約20~30時間 | 丸一日余裕で守れる程度 |
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5. まとめ:備えがあるから「趣味」を心から楽しめる
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
熱帯魚や爬虫類は、人間のように「寒い」「苦しい」と言葉で伝えることができません。停電でライフラインが止まったとき、彼らの命を繋ぎ止められるのは、世界でたった一人、飼い主であるあなたの「事前の備え」だけです。
改めて、本記事のポイントを振り返ります。
- 冬だけでなく夏の停電も命取り: 高水温による酸欠と水質悪化は、冬以上のスピードで全滅を招きます。
- 「UPS機能」は必須条件: 外出中や就寝中の停電にも無人で対応できるよう、自動切り替え機能付きを選びましょう。
- 容量は「一晩以上」を基準に: 60cm水槽なら Jackery 1000 New 以上のスペックがあれば、最も危険な「深夜の停電」を無事に乗り越えられます。
「いつか来る停電」は、明日かもしれません。数万円の投資で、何年もかけて育てた大切な家族を守れるなら、これほど安い買い物はないはずです。
まずは、あなたの水槽サイズに合った一台をチェックしてみてください。備えがあるという安心感だけで、これからの季節をぐっと心穏やかに過ごせるようになります。
| 水槽 | 30cm小型水槽 | 60cm標準水槽 | 90cm大型水槽 |
| 推奨モデル | Jackery 500NEW | Jackery 1000NEW | EcoFlow DELTA3 Max |
| 画像 | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
| 容量 | 512Wh | 1070Wh | 2048Wh |
| UPS | 10ms | 20ms | 10ms |
| 一晩の安心度 | ★★★★☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| ここがポイント | 軽量コンパクト! | 人気モデル! | ハイスペック! |
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