ポータブル電源で電気ケトルを使いたい人の疑問、すべて解決します!

ポータブル電源で電気ケトルを使う

みなさんこんにちは ! 管理人のありーなです


停電時やキャンプなどで、温かい飲み物が恋しくなることはありませんか?

そんなとき便利なのが、手軽に熱いお湯が沸かせる「電気ケトル」。

「電気ケトルをポータブル電源で使えるのかな?」

そんな疑問を抱えていませんか?

この記事では、「ポータブル電源で電気ケトルを使いたい」と考えている人が、抱くであろう疑問を丁寧に解説しています。

● ポータブル電源で、電気ケトルは使えるの?
● 電気ケトルは、小型・小容量のポータブル電源でも使えるの?
● 電気ケトルの消費電力が、ポータブル電源の定格出力を超えるとどうなるの?
● 電力ブースト機能を使い、電気ケトルでお湯を沸かすとどうなるの?
● 沸かす水の量は、ポータブル電源の使用電力量・時間にどう影響するの?
● 電気ケトル以外でお湯を沸かしたら、どんな違いがあるの?
● 電気ケトルの使用は、ポータブル電源の寿命に影響があるの?



そんな方はぜひ続きをご覧ください。

この記事ではさまざまな検証を行いながら、ポータブル電源で電気ケトルを使うときの疑問に答えています。ポータブル電源選びの参考としてください

目次

ポータブル電源で電子ケトルを使うことに関する質問

Q1 ポータブル電源で電子ケトルを使えますか?

A:はい、基本的にポータブル電源で電子ケトルを使うことは可能です

電子ケトルは、水を短時間で効率的に沸かせる便利な調理家電です。

構造がシンプルで軽量なので、家庭だけでなく、車内やアウトドアでも気軽に使えます。

ただし、電気ケトルは水を急速に沸かすため、消費電力が大きいという特徴があります。

そのため、一部のポータブル電源では使えません。

電子ケトルをポータブル電源で使うには、以下の条件を満たしている必要があります。

電子ケトルの消費電力 < ポータブル電源の定格出力

つまり、ポータブル電源の定格出力が、電子ケトルの消費電力よりも大きい場合のみ使用できます。


【主要ブランドの電子ケトル消費電力】

現在販売されている主要ブランドの電子ケトルは、すべてが1,200W以上の消費電力です。

スクロールできます
ブランド容量定格消費電力
T-faL(ティファール)0.6L(600ml)
0.8L(800ml)
1.2L(1,200ml)
1,250W
バルミューダ0.6L(600ml)1,200W
タイガー魔法瓶0.8L(800ml)
1.0L(1,000ml)
1.2L(1,200ml)
1,300W
象印0.6L(600ml)
0.8L(800ml)
1.0L(1,000ml)
1.2L(1,200ml)
1.5L(1,500ml)
1,300W

定格消費電力はブランドによって異なりますが、同じブランドであれば、容量による定格出力の差がないのが電気ケトルの特徴でもあります

※ 数字は2025年6月時点、各社WEBサイトより引用(ブランド名をクリックすると各社WEBサイトを確認できます)

ご覧の通り、どのブランドも定格消費電力が1,200Wを超えています。そのため、電子ケトルを動かすには、定格出力が1,200Wを超えるポータブル電源が必要になります。これは一般的に、容量が1,000Whを超えるような大容量モデルとなります



Q2 大容量ポータブル電源でないと、電子ケトルは使えないということですか?

A:いいえ 大容量でなくても電子ケトルを使えるポータブル電源はあります

ポータブル電源の中には、「電力ブースト機能」が搭載されているものがあります。

「電力ブースト機能」とは、ポータブル電源の定格出力を超える消費電力を持つ家電製品を、一時的に動作させることができる技術です。

簡単に言うと、家電製品がポータブル電源から受け取る電力を調整し、ポータブル電源の許容範囲内で家電を動かすようにします。

各社で呼び方は異なりますが、ブルーティの「電力リフト」、エコフローの「X-Boost」、ダブソンの「P-Boost」などが「電力ブースト機能」に該当します。

例えば、1000Wの「電力ブースト機能」が搭載されているポータブル電源なら、消費電力1,250Wの電気ケトルを、出力1,000W以下に下げて動かせます。

この際、電気ケトルのへの出力を1,000W以下に推させているため、通常よりもお湯が沸くまでに時間がかかります。

しかし、この「電力ブースト機能」のおかげで、普段はポータブル電源では使えないような消費電力の大きい家電も使えるようになるため、ポータブル電源の活用範囲がぐっと広がります。



先ほども言いましたが、容量1,000Whを超える大容量ポータブル電源であれば、多くの機種で電気ケトルを使えます。しかし、容量999Wh以下の中・小容量ポータブル電源であっても、「電力ブースト機能」を使うことで、電気ケトルを使える機種もあります

【電力ブースト機能を使えば電気ケトルを動かせる「容量999Wh以下の機種」】

ここでは、人気ポータブル電源メーカー5社(Anker、BLUETTI、DABBSSON、EcoFlow、Jackery)の中から、容量999Wh以下で「電力ブースト機能」を使えば電気ケトルが使える機種を紹介します

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電力ブースト機能名ポータブル電源名電力ブースト定格出力容量
ブルーティ電力リフトBluetti AC70
Bluetti AORA80
2,000W
2,000W
1,000W
1,000W
768Wh
768Wh
Bluetti AC60
Bluetti EB3A
1,200W
1,200W
600W
600W
403Wh
268.8Wh
エコフローX-BoostEcoFlow RIVER Pro 1,200W600W720Wh
576Wh

※ 記載内容は2025年6月時点、各社WEBサイトより引用(ポータブル電源名をクリックすると各社WEBサイトを確認できます)
※なお、EcoFlow RIVER Proの公式WEBサイトでの新品販売は終了しており、「認定整備済製品」のみ購入できます
※電力ブースト1200Wのポータブル電源で使えるのは、一部の電気ケトルに限られます



\ 電力ブースト機能については。こちらの記事もご覧ください/



Q3 電気ケトルの消費電力が、ポータブル電源の定格出力を上回るとどうなりますか?

A:ポータブル電源の安全装置が働き、電気の給電がストップします

電気ケトルの消費電力がポータブル電源の定格出力を超えた場合、ポータブル電源は過負荷保護機能が働き、自動的にシャットダウンします。

これは、ポータブル電源や接続機器の故障を防ぐための安全機能で、BMS(バッテリーマネジメントシステム)と呼ばれる管理システムが働いたおかげです。

ここでは、過負荷となり給電がストップする状況を、実際の動画で紹介します。

定格出力1,000WのBluetti AC70で、消費電力1,250Wの電気ケトル(ティファール)を動かした動画です。

Bluetti AC70には電力ブースト機能(電力リフト)が搭載されていますが、まずはその機能をOFFにした状態で電気ケトルを動かしました。

動画内では、BMSが作動しAC70の給電がストップするまで約1分かかりました。ストップするまでの時間は、メーカーや機種により異なっており、例えば、EcoFlow RIVER2 Proの場合、出力が上限を超えてから5秒ほどで給電がストップします

【注意点】

人気ポータブル電源メーカー5社(Anker、BLUETTI、DABBSSON、EcoFlow、Jackery)のポータブル電源には高性能なBMS(バッテリーマネジメントシステム)が搭載されています。ポータブル電源を安全・安心して使うためには、必ずBMS搭載ポータブル電源を選びましょう




Q4 電力ブースト機能で電気ケトルを使っても、通常と同じようにお湯が沸きますか?

A:はい 問題なくお湯を沸かせます。ただし、通常よりも時間が多少長くかかります


BLUETTI AC70(定格出力1,000W)と消費電力1,250Wのティファール電気ケトルを使って、電力ブースト機能をONにした場合とOFFにした場合(BLUETTI AC180を使用)で比較検証しました。

電力ブースト機能を使うと、電気ケトルの消費電力がポータブル電源の定格出力に合わせて約1,000Wに抑えられてお湯を沸かします。

まずはこちらの動画で、電力ブースト機能使用時の様子をご覧ください。



電力ブースト機能を搭載したポータブル電源の多くは、スマホアプリで電力ブースト機能のON/OFF切り替えを行います。しかし、今回使ったBluetti AC70など一部の機種は、ポータブル電源のボタン操作で切替が可能なので便利です。もちろんスマホアプリでのON/OFF切替も可能です



次に、BLUETTIのポータブル電源2台(AC70とAC180)を使用し、消費電力1,250Wの電気ケトル(ティファール)で1リットルの水を沸騰させ、その時間を比較しました。

定格出力1000WのBluetti AC70は「電力ブースト機能」をONにして使用し、定格出力1800WのBluetti AORA100は「電力ブースト機能」を使わずに使用しています。


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電力ブースト機能使用した場合使用しなかった場合
Bluetti AC70Bluetti AORA100
使用ポータブル電源Bluetti AC70 Bluetti AORA100
定格出力1,000W1,800W
使用時の平均W数約1,022W約1,234W
沸騰までの時間6分8秒4分29秒

※ 沸騰までの時間は、お湯が沸きあがり、ティファールのスイッチが自動的にOFFになった時までの時間です

この結果から、電力ブースト機能を使用すると、お湯が沸騰するまでの差は1分39秒ということが分かりました。多少時間がかかっても、ポータブル電源の定格出力を超える家電を使えるのは、電力ブースト機能の大きなメリットと言えます



【停電時やキャンプで「電力ブースト機能」が役立つ理由】

電力ブースト機能は、日常的に頻繁に使うものではないかもしれませんが、停電時やキャンプ、車中泊といった場面で非常に役立つ機能です。いざという時に、消費電力の大きな家電(例えば、電気ケトルや一部の調理器具など)を使えると、その場の利便性や快適さが格段に向上します。例えば、停電時に温かい飲み物を飲んだり、キャンプで手軽にお湯を沸かしたりできるようになります。



【今回使用したBLUETTI AC70の利便性】

Bluetti AC70 は、電力ブースト機能が使えるだけでなく、そのON/OFF切り替えが本体のボタン操作で行える点も便利です。一般的に、電力ブースト機能のON/OFF切り替えはスマートフォンアプリで行うことが多いのですが、BLUETTI AC70はアプリでも本体のボタンでも切り替えが可能です。これにより、緊急時など、すぐに設定を変えたい場面でもスムーズに対応できます(Q5で使用した、Bluetti AORA100も同様です)





\記事内で使ったBluetti AC70の詳細はこちら/




Q5 沸かす水の量は、ポータブル電源の使用電力や時間に影響しますか?

A:はい 沸かす水の量は、使用電力量や沸きあがるまでかかる時間に影響します



電気ケトルに入れる水の量によって、どれくらい差が出るのかを検証しました。

Bluetti AORA100を使い、500mlと1000ml (1ℓ)のお湯を沸かした結果がこちらです。

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沸かした水の量500ml1000ml(=1ℓ)
使用時の平均W数約1,234W約1,234W
沸騰までの時間2分36秒4分29秒
使用電力6%11%


この比較から、電気ケトルで沸かす水の量が変わると、沸騰するまでの時間も、ポータブル電源の消費電力も異なることがはっきりと分かります。必要以上のお湯を沸かすことは、時間も電気量も無駄になってしまいます。ポータブル電源を効率的に使うためにも、使う分だけ水を沸かすように心がけましょう



Q6 ポータブル電源で電子ケトル以外にお湯を沸かす方法はありますか

A:はい 電気で動く調理家電であれば、電子ケトル以外でもお湯を沸かせます



具体的には、電気ケトル以外にも、電動ポットや電気IH調理器、自動調理鍋などがあります。

それでは、ポータブル電源を使って効率的にお湯を沸かすには、どの調理家電が良いのでしょうか?

Bluetti AORA100 と4種類の調理家電を使い、1リットルのお湯が沸くまでの時間消費した電力量を比較しました。

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調理器具電気ケトル電動ポットIH調理器自動調理鍋
画像電気ケトル電気ポット電気IH調理器電気調理器
使用機材T-faL
KO5901JP
タイガー
PDR-G221
Panasonic
KZ-PH33
SHARP ホットクック
KN-HW10G
定格消費電力1,250W700W1,400W350W
お湯が沸く迄の時間4分29秒9分25秒9分05秒20分18秒
使用電力11%14%19%16%

※ IH調理器の沸騰までの時間は、温度が95℃になるまでの時間を計測

この比較から、電気ケトルが最も効率的にお湯を沸かせることがわかります。電気ケトルは、水の中に直接電熱線を入れて加熱するため、圧倒的に素早く、少ない電力でお湯を沸かすことが可能です。ポータブル電源で効率よくお湯を使いたい場合は、やはり電子ケトルが最適だと言えるでしょう





\記事内で使ったBluetti AORA100の詳細はこちら/





Q7 ポータブル電源の寿命に、電子ケトルの使用は影響しますか?

A:はい 消費電力が大きい電気ケトルの使用は、寿命に影響を与える可能性があります



電気ケトルのように消費電力が大きな家電を使うと、ポータブル電源のバッテリーに大きな負荷をかけてしまいます。

特に、バッテリー残量が少ない状態で高負荷をかけ続けたり、過度に頻繁に使用したりすると、ポータブル電源に内蔵されているリチウムイオンバッテリーの劣化を早めてしまう可能性があります。

ポータブル電源の寿命を延ばすためには、以下の点に注意しながら使うことをおすすめします。

【ポータブル電源の寿命を延ばすための、電気ケトル使用時の注意点】


① 適度な使用:
電気ケトルのような消費電力の大きな家電は、必要な時に限定的に使用し、長時間連続して高負荷をかけるのは避けるのが賢明です

② バッテリー残量に注意:
バッテリー残量が少ない状態で高負荷をかけるのは、特にバッテリーに負担がかかります。ある程度の残量がある状態で使用しましょう

③ 電力ブースト機能の理解:
定格出力を超える家電が使える「電力ブースト機能」で電気ケトルを使用する場合、バッテリーへの負荷はゼロではありません。「電力ブースト機能」を使う場合も、①②の点に注意しましょう



まとめ:ポータブル電源で電気ケトルを使いたい人の疑問、すべて解決します!



この記事では、「ポータブル電源で電子ケトルを使いたい」という皆さんの疑問にお答えしました。

電子ケトルは消費電力が大きいため、通常は容量1000Whを超える大容量・高出力なポータブル電源が必要になります。

しかし、「電力ブースト機能」を搭載したモデルを選べば、中・小容量のポータブル電源でも電子ケトルが使えます。

電力ブースト機能を使うと、お湯が沸くまでに多少時間がかかりますが、停電時やキャンプで温かい飲み物を手軽に作れるという大きなメリットがあります。

ただし、消費電力の大きい家電を使うことは、ポータブル電源のバッテリー劣化を早める可能性もあるため、高負荷での連続使用は控えめにしましょう

ご自身の用途に合ったポータブル電源を選んで、電気ケトルで快適にお湯が沸かせる「ポタ電ライフ」を実現しましょう!


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ポータブル電源で電気ケトルを使う

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