ポータブル電源でエアコン(暖房・冷房)を使いたい人の疑問、すべて解決します!

ポータブル電源でエアコンを使う


みなさんこんにちは ! 管理人のありーなです


ポータブル電源でエアコンを使いたいけど、本当に動くの?どのくらいの容量が必要?

そんな疑問を抱えていませんか?

この記事では、「ポータブル電源でエアコンを使いたい」と考えている人が、抱くであろう疑問を丁寧に解説しています。

ポータブル電源でエアコンは使えるの?
どのサイズのポータブル電源なら、エアコンを動かせるの?
ポータブル電源でエアコンを使ったときの稼働時間を計算する方法は?
ポータブル電源の寿命は、エアコンを使うと短くなるの?
エアコンの電源プラグを、延長コードを使って接続しても大丈夫?
ポータブル電源の電力を節約できるエアコンの使い方は?
ポータブル電源の電力リフト機能でエアコンは使えるの?

そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ続きをご覧ください。

万が一の停電時や車中泊など、エアコンも使えるポータブル電源が備えてあれば、暑い夏でも寒い冬でも安心です。ポータブル電源を購入する前に、エアコン使用に関する疑問をすべて解決しちゃいましょう!

目次

ポータブル電源でエアコンを使うことに関する質問



Q1 ポータブル電源でエアコンは使えますか?

A:以下の条件を満たせば使えます




ポータブル電源でエアコンを使うことは、結論から言えば「条件を満たせば可能」です。

消費電力が大きいエアコンと、バッテリー容量が限られるポータブル電源の組み合わせは、適切な製品選びと使い方で可能になります。

夏の車中泊や停電時でも、エアコンで快適な温度環境を整えることができます。

重要なのは、ポータブル電源とエアコン、それぞれのスペックを正しく理解し、目的に合わせて選ぶことです。

エアコンが使えるポータブル電源の条件は、次の3つです。

エアコンが使えるポータブル電源の条件

① エアコンの「消費電力」 と ポータブル電源の「定格出力」

② エアコンの「使用時間」と ポータブル電源の「容量」

③ エアコンの「電源プラグ」と ポータブル電源の「出力ポート」





条件① エアコンの「消費電力」とポータブル電源の「定格出力」の関係



ポータブル電源でエアコンを動かすには、ポータブル電源の「定格出力」が、エアコンの「消費電力」を上回る必要があります。

ポータブル電源の「定格出力」 > エアコンの「消費電力」


エアコンは起動時に瞬間的に大きな電力(突入電流)を消費するため、ポータブル電源の定格出力には余裕が必要です。

例えば、エアコンが500Wを消費するなら、ポータブル電源はそれ以上の出力が求められます。安全で安定した稼働のために、製品の定格出力をしっかり確認しましょう。



\定格出力についてはこちらの記事もご覧ください/




条件② エアコンの「使用時間」ポータブル電源の「容量」の関係



エアコンの使用可能時間は、ポータブル電源の「容量(Wh)」に大きく左右されます。

容量が大きいほど、エアコンを長時間稼働させられます。

例えば1000Whの電源で200Wのエアコンなら約5時間の使用が目安です。

ポータブル電源の容量:1000Wh ÷ エアコンの消費電力:200W = 5時間


ただし、エアコンは消費電力が変動するため、これは理論値です。

エアコンをできるだけ長く使用したい人は、余裕を持った大容量モデルを選びましょう。

分かりやすいように計算式を単純化しており、変換ロスなども考慮していません




\容量についてはこちらの記事もご覧ください/




条件③ エアコンの「電源プラグ」とポータブル電源の「出力ポート」の関係



ポータブル電源とエアコンを接続するには、エアコンの「電源プラグ」とポータブル電源の「出力ポート」の形状が一致する必要があります。


ポータブル電源の「出力ポート」 = エアコンの「電源プラグ」


家庭用エアコンには、100Vと200Vの電圧タイプがあります。

一般的に小さな部屋向けの小型のエアコンは100V、広い部屋向けの大型のエアコンは200Vに対応しています。

ほとんどのポータブルエアコン(スポットクーラーや移動式エアコンとも呼ばれます)は、手軽に持ち運んで使えるよう、家庭の一般的コンセントで使える100V仕様が主流です。

電気製品の電圧が異なるのは、それぞれに必要な電力の大きさが違うためです。

100V用と200V用では、ポータブル電源の「出力ポート」もエアコン側の「電源プラグ」も形が異なり、誤って違う電圧の機器を差し込まないように工夫されています。

100Vのコンセント:通常、縦に2本の穴が平行に並んでいます

200Vのコンセント:片方の穴が縦、もう片方が横に配置されているなど、100Vとは異なる形状をしています



AC200Vのエアコンを動かせるポータブル電源

AC200Vのエアコンを動かすためには、AC200Vの出力ポートを備えたポータブル電源を選ぶ必要があります。例えば、EcoFlow DELTA Pro ULTRAやEcoFlow DELTA Pro3(左写真)、ANKER Solix 3800などが該当します

\出力ポートと電源プラグ形状/

家庭用エアコンの場合、6畳〜10畳程度の部屋であれば「100V」、16畳以上の広い空間用なら「200V」となっていることが多いようです。12~14畳用は、機種によって異なり、100Vの場合も200Vの場合もあるようです




\出力ポートについてはこちらの記事もご覧ください/




Q2 どのサイズのポータブル電源なら、エアコンを動かせますか?


A:エアコンの「消費電力」によって、動かせるポータブル電源のサイズが決まります



エアコンをポータブル電源で動かすには、エアコンが最も電力を消費する瞬間の数値を基準に、ポータブル電源のサイズを選ぶ必要があります。

エアコン本体のラベルにも消費電力は記載されていますが、この数字だけでは判断できません。

例えば、上の写真のエアコンラベルには「冷房 580W」「暖房標準 470W」と書かれています(写真左上)。

この数字だけを見ると、定格出力600Wのポータブル電源でも動かせそうに思えます。

しかし、これは「定格消費電力」と呼ばれ、JIS(日本産業規格)で定められた特定の標準的な条件下(例. 室温20℃、室外温度7℃など)で測られた消費電力です。

しかし、エアコンの消費電力は、実際には、室温や外気温、設定温度、部屋の広さなど、使用する環境によって常に変動します

例えば、上の写真のエアコン場合、取扱説明書には、「冷房:190~820W」「暖房:160~1,175W」と書かれています(写真右下)。

この数字は「消費電力の範囲」を表しており、エアコンが最も電力を消費する可能性のある最大値は、暖房時の1,175Wということがわかります。

つまり、定格出力が1,200W以上のポータブル電源であれば、このエアコンの冷房・暖房を動かすことができます。




Q3 ポータブル電源でエアコンを使ったときの稼働時間を計算する方法は?

A:エアコンの稼働時間を計算するときは、少し注意が必要です



ポータブル電源でエアコンを動かせる時間(稼働時間)は、一般的な電化製品と同じ計算式で算出できます。

稼働時間 = ポータブル電源の容量(Wh)× 変換効率(0.8程度)÷ エアコンの消費電力(W)


難しい点ですが、エアコンの場合の消費電力(W)は、エアコン本体に書かれている「定格消費電力」や、取扱説明書に記載されている「消費電力の範囲」だけでは、そのまま計算式に当てはめられません。

なぜなら、エアコンの消費電力は、室温、外気温、設定温度、お部屋の広さなど、使用環境によって常に変動するためです。

冷房を使うか、暖房を使うかでも大きく変わります。

そのため、上の計算式に入れる「エアコンの消費電力(W)」は、自分の実際の使用状況に合わせて決める必要があります。

例えば、Q2の例で出てきたエアコンの取扱説明書には、「消費電力の範囲」として「冷房:190~820W」「暖房:160~1,175W」と書かれていました。

このような場合、以下のいずれかの方法でご自身の「消費電力」を決めてみましょう。

稼働時間を計算するときの、エアコンの消費電力の決め方

1.中間値を使う:

  • 冷房だけなら (190W + 820W) ÷ 2 = 505W
  • 暖房だけなら (160W + 1,175W) ÷ 2 = 667.5W
  • 冷暖房使用なら(505W + 667.5W) ÷ 2 = 586.25W

2. 自分の使い方に合わせて決める:

  • 普段から「弱運転」や「エコモード」で長時間使うことが多いなら、範囲の低い方の数値に寄せてみる(例:冷房250W、暖房300Wなど)。
  • 逆に、暑い・寒い日に「強運転」で一気に冷やしたり温めたりすることが多いなら、範囲の高い方の数値に寄せてみる(例:冷房700W、暖房1000Wなど)。



エアコンの消費電力(W)が決まった人は、以下のシミュレーターを使い、ポータブル電源でエアコンを使ったときの稼働時間を計算してみてください。ポータブル電源の容量(Wh)、エアコンの消費電力(W)、ポータブル電源の変換効率(%)を入れれば、稼働時間が自動計算されます

ポータブル電源 稼働時間シミュレーター

ポータブル電源 稼働時間シミュレーター

Wh (ワットアワー)
W (ワット)
%

※ポータブル電源は、バッテリーの直流電力を交流電力に変換する際に、必ず電力ロスが発生します。この効率は製品によって異なりますが、一般的には80%〜90%程度が目安とされています。数値が高いほどロスが少なく、より長く電化製品を使えます。

ここに稼働時間が表示されます。

※この計算はあくまで目安です。実際の稼働時間は、電化製品の具体的な動作モードや環境要因などにより変動する場合があります。




Q4 ポータブル電源の寿命は、エアコン使用で短くなりますか?


A:ポータブル電源の寿命は、エアコンの使用によって短くなるわけではありません


ポータブル電源の寿命は、エアコンの使用によって「直接的に」短くなるわけではありませんが、「使い方次第」で影響を受ける可能性はあります。

ポータブル電源のバッテリー(リチウムイオン電池など)には、充電と放電を繰り返せる回数(サイクル数)という寿命があります。

エアコンのような高出力の機器を使うと、バッテリーの充放電サイクルが速く進むため、結果的に「サイクル寿命を早く使い切る」ことにつながります。

また、高負荷での連続使用はバッテリーの温度を上昇させ、バッテリー劣化を早める可能性もゼロではありません。

推奨される充電回数上限や、過放電・過充電を避けるなど、メーカーが推奨する使い方を守ることが、寿命を延ばすために重要です。

Q5 エアコンの電源プラグを、延長コードを使って接続しても大丈夫ですか?



A:延長コードを使い、エアコンをポータブル電源に接続しても大丈夫です

エアコンの電源プラグを接続するコンセントは、通常エアコンのすぐ近くに配置されています。

そのため、エアコンをポータブル電源に接続する際には、延長コードが必要になる場面も多いでしょう。

延長コードを使用することで、わずかな電力ロスが発生する可能性はありますが、それがエアコンの動作に大きな影響を与えることはほとんどありません。

ただし、以下の点に注意して延長コードを選びましょう。

エアコンとポータブル電源を接続する延長コードを選ぶ際の注意点

① 定格電力:
エアコンの消費電力に対応できる、十分な定格電力を持つ延長コードを選んでください。エアコンの起動時は特に大きな電流が流れるため、余裕を持ったものを選ぶのが安全です

② コードの長さ:
必要以上に長い延長コードは、電力ロスを大きくする原因になります。必要な長さに留めましょう

③ コードの太さ:
細すぎるコードは発熱の原因となるため、エアコンのような消費電力の大きい機器には適しません。太めのコードが推奨されます



Q6. ポータブル電源の電力を節約できるエアコンの使い方はありますか?


A:ポータブル電源でエアコンを効率よく使うには、ちょっとした工夫が大切です



限られた電力で快適に過ごすために、以下の点を意識してみましょう。

ポータブル電源でエアコンを効率良く使うための工夫

① 断熱と遮光を徹底する:
室内の場合: ドアの隙間を塞いだり、窓からの隙間風を減らしたりして、外気が侵入するのを防ぎましょう
車内の場合: 窓にサンシェードを貼る、厚手の毛布を併用するなどして、外気温の影響を最小限に抑えることが重要です。外部からの熱や冷気の侵入を抑えることで、エアコンの負荷が減り、電力消費を抑えられます

② 設定温度を工夫する:
夏場は冷やしすぎず、冬場は温めすぎないようにしましょう。外気温と快適に感じる温度の差が小さいほど、エアコンが消費する電力は少なくなります。無理のない範囲で、設定温度を控えめにすることが節電につながります

③ 扇風機やサーキュレーターを併用する:
エアコンと扇風機やサーキュレーターを一緒に使うことで、室内の空気を効率よく循環させることができます。これにより、エアコンの設定温度を控えめにしても、体感温度が快適に保たれ、結果的に電力消費を抑える効果が期待できます

エアコンの選び方、使い方、掃除方法、トラブル対策(害虫など)、クリーニング業者選びなど、エアコンを中心とした住まいのお手入れに関することは「ハウスケアラボ」のブログが詳しく解説しており、情報も充実しています。ぜひご覧ください




Q7. ポータブル電源の電力リフト機能でエアコンは使えますか?


A:電力ブースト機能を使ってエアコンを動かすことは、基本的には推奨されません

EcoFlowのX-Boost、Bluettiの電力リフトなど、各社が電力ブースト機能搭載ポータブル電源を出していますが、電力ブースト機能は、主に電熱線(抵抗負荷)を持つ家電製品(例:電気ケトル、ドライヤー、アイロンなど)で効果を発揮するように設計されています。

これらの家電は、消費電力が変動しにくいため、電圧を下げても機能に大きな影響が出にくい傾向がありますが、エアコンのようにモーターやコンプレッサーを内蔵する家電は、電力ブースト機能との相性があまりよくありません

例えば、Bluetti AC2Aなど、いくつかのポータブル電源の商品ページには、エアコンの使用を禁止する文言が書かれています。

エアコンが正常に起動しない、または途中で停止する、エアコンの故障につながるなどの可能性があるため、電力リフト機能でエアコンを使うことはおすすめしません。

Q1. 電力リフト機能とは?

A:この機能で、暖房用ヒーター、アイロンなど、AC2Aは最大600Wの高出力の加熱装置を動作させることができます。エアコンや洗濯機の運転には使用しないでください

※ Bluetti AC2A商品ページ「よくあるご質問:電力リフト機能とは? 」より引用

ポータブル電源でエアコンを使用したい場合、電力ブースト機能に頼るのではなく、エアコンの定格消費電力と起動電力をカバーできる、十分な定格出力と瞬間最大出力を持つ大容量のポータブル電源を選びましょう



\電力ブースト機能についてはこちらの記事もご覧ください/




エアコンに関する一般的な質問

Q1. 冬の暖房と夏の冷房、どちらの消費電力が大きいですか?


一般的に、冬の暖房の方が夏の冷房よりも消費電力が大きくなる傾向があります。

これは、外気温と設定温度との差が大きくなるためです。

例えば、外気温が氷点下に近い冬に室内を20℃まで温める場合、外気温が30℃の夏に室内を25℃まで冷やすよりも、エアコンがより多くの熱を発生させる(または吸収する)必要があるため、より多くのエネルギーを消費します。

Q2. エアコンの「起動電力(突入電流)」って何ですか?


エアコンの「起動電力(突入電流)」とは、エアコンのコンプレッサーが動き出す瞬間に、一時的に発生する非常に大きな電力のことです。

これは、モーターが停止状態から動き出す際に、通常運転時よりもはるかに大きなエネルギーを必要とするために起こります。

例えば、定格消費電力が500Wのエアコンでも、起動時には1000Wや1500Wといった瞬間的な電力を消費することがあります。

ほとんどのポータブル電源は、エアコンの「起動電力」に対応できるように設計されています。通常、ポータブル電源の定格出力が大きければ大きいほど、それに見合った瞬間最大出力も備わっています。つまり、エアコンを安定して動かせるだけの十分な定格出力があるポータブル電源なら、エアコンの起動電力にも対応できる瞬間最大出力を持っていると考えて大丈夫でしょう


まとめ:ポータブル電源でエアコン(暖房・冷房)を使いたい人の疑問、すべて解決します!


この記事では、ポータブル電源でエアコンを使う際のさまざまな疑問にお答えしてきました。

ポータブル電源でエアコンを快適に動かすには、ポータブル電源の「定格出力」「容量」「出力ポート」が、エアコンの「消費電力」「使用時間」「電源プラグ」と合っているかが重要です。

エアコンの消費電力は、機種だけでなく、使う場所や状況で大きく変わります。

お手持ちの、または使いたいエアコンの消費電力を想定し、「容量 × 変換効率 ÷ 消費電力」の計算式で稼働時間を割り出してみましょう。

「定格出力」や「容量」には余裕を持ったポータブル電源を選ぶのが、長く安心して使うためのポイントです。

この記事が、あなたの疑問を解決し、ぴったりのポータブル電源とエアコンの組み合わせを見つけるお手伝いになれば幸いです。

万が一の停電時や車中泊など、エアコンも使えるポータブル電源が備えてあれば、暑い夏でも寒い冬でも安心です。




ポータブル電源でエアコンを使う

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