ポータブル電源

発電機とポータブル電源 防災用などで家に備えるならどっちがおすすめ?

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みなさんこんにちは !

「ポータブル電源は ありーな です

エネルギー不足を知り自宅でのエネルギー確保を考え始めた当時、真っ先に発電機の購入を考えました

そのころ「ポータブル電源」という名前は聞いたことがある程度で、「自分で電気を確保する=発電機」という程度の理解だったからです

でも調べてみるとすぐに分かりました…

ありーな

わが家で「発電機」を使うのは無理だ…

そこで途方に暮れたのを思い出します

しかしそれが、ポータブル電源を知ることとなったきっかけの出来事でした

というわけで今回は発電機とポータブル電源の違いをまとめました

ぜひ最後までご覧ください

比較して分かる発電機とポータブル電源の大きな違い

発電機は文字通り「電気を得る(作る)機械」ですが、ポータブル電源は「電気を溜める機械=蓄電池」です。

ソーラーパネルと一緒に使えばポータブル電源でも電気を作ることができますが、電気を得るためにかかる時間が発電機より大幅に長くかかります。

まず最初に発電機とポータブル電源の違いを、使用時、使用前、使用後に分けて比較しました。

ありーな

この記事では家庭用コンセントと同様に安定した電力供給ができる「インバーター発電機」を想定しています。インバーター発電機にはガソリンやカセットボンベ、LPガスなどを燃料とした機種がありますが、比較表の中では「発電機」と一まとめにして扱っています

1.「使用時」における発電機とポータブル電源の比較

使用時における発電機とポータブル電源について、5つの項目に分けて比較しました。

まとめると次の通りですが、項目毎に詳細を説明します。

発電機ポータブル電源
使える電力量
(使える時間の長さ)

燃料を補充できる限り使える
(長時間の利用も可能)
×
蓄電した電気の範囲で使える
(長時間の利用に不向き)
使える電化製品
(定格出力の大きさ)

出力が大きい
×
出力は小さめ
動作音の大きさ
(騒音レベル)
×
動作音が大きい

駆動音が小さい
排気の有無×
排気が出る

排気が出ない
使用環境
温度・環境に制約あり

温度・環境に制約あり

ありーな

具体的に比較するため、発電機とポータブル電源それぞれの「価格コム 人気売れ筋ランキングBEST20」の機種の数字を調べました

使える電力量(使える時間の長さ)の比較:容量

発電機とポータブル電源は、使える電力量に差があります。

電力量に差があるということは、使える時間の長さに大きな差が出ます。

価格コムの上位20機種で見ると、発電機の最大連続運転時間はガソリン式で4.5~15.8時間、カセットガス式で1.5~2.2時間です。

しかし発電機は、本体に入れてあった燃料を使い果たしても、燃料を補充できる限り電気を使い続けることができます

つまり、手元に燃料がある限り電気を使うことができます。

一方ポータブル電源は、蓄電してあった電気が尽きるとそれ以上は使えません

つまり、事前に溜めてあった電気の範囲内でしか使えません。

ポータブル電源が蓄電できる容量は、価格コムの上位20機種で見ると、240Wh~3600Whです。

最大の容量がある3600Whの機種を使ったとしても、停電時に必要な電力の約2日分が限界です※。

【停電時に必要な電力の算出根拠】

緊急時の家庭での最低限必要な電力を、1日あたり188kWh(4つの照明、扇風機、ルーター、ラップトップパソコン、スマートフォン)としてメーカーが試算した数字です

ありーな

ポータブル電源はソーラーパネルをつなげば新たに電気を作って動かすことができますが、電気を発電するためには、太陽が出ている日に何時間も待たなければなりません

使える電化製品の比較:定格出力

どんな電化製品が使えるかという点においても、発電機の方が勝っています

価格コムの上位20機種で比較すると、定格出力は表のような違いがあります。

定格出力が大きいほど、消費電力の大きな電化製品を動かすことができますので、発電機の方がより多くの電化製品を動かせることになります。

分類定格出力
発電機ガソリン式:1600~5500VA
カセットガス式:600~900VA
ポータブル電源200~3000W

ありーな

発電機で使っている「VA(皮相電力)」はV(電圧)とA(電流)を掛けあわせたもので、電気製品を動かすために消費される損失を考慮していない理論上の電力量です。ポータブル電源で使っている「W(消費電力)」もVにAを掛けあわせて算出するのは同じですが、損失を考慮した実際の電力量です

動作音の大きさ比較:動作音の騒音レベル

動作音の大きさにおいては、ポータブル電源が勝っています

価格コムの上位20機種で比較すると、動作音は表のようなに違いがあります。

分類操作音の大きさ
発電機ガソリン式:62.6~94dB
カセットガス式:67~84dB
ポータブル電源50dB前後

それぞれの操作音の大きさを騒音レベルで見てみると、発電機の操作音は「うるさい」レベルです。

日本の住宅は一般的に狭くて家同士が隣接しているため、庭があったとしても発電機を使うことは難しいレベルの騒音です。

【騒音レベルの基準】

騒音レベル感じる目安具体例
40dB静か戸建住宅地(昼間)、高層住宅地域(夜間)、図書館内
50dB普通高層住宅地域(昼間)、書店の店内、役所の窓口周辺
60dB普通銀行の窓口周辺、ファミリーレストラン店内、バスの車内
70dBうるさい主要幹線道路周辺(昼間)、地下鉄車内、従来鉄道の車内、航空機内
80dBうるさいゲームセンター店内
90dBきわめてうるさいパチンコ店内
※ 環境省パンフレット 「生活騒音」より一部抜粋

排気の有無の比較

排気については、ポータブル電源が勝っています

発電機はエンジンを使う為、一酸化炭素を多く含む排気を出します。

ポータブル電源はリチウムイオンバッテリーを使うため、排気を出しません。

なお発電機の取扱説明書には、排気に関する次のような注意が書かれています。

【排気ガス(ガス中毒)に注意】

屋内、倉庫、車内、井戸、トンネル、タンク内など換気の悪い場所では使用しないでください(室内不可、屋外でも換気の悪い場所は不可)

✔ 排気ガス中に毒性の強い一酸化炭素が多く含まれているため、一酸化炭素による中毒死の恐れがあります

ありーな

発電機を屋外で使う場合でも、使用中に排気が屋内に入ることがないように注意が必要です

使用できる環境(温度・場所など)の比較

使用環境については、発電機にもポータブル電源にも制約があり、引き分けです

使用できる環境温度

機種によって多少違いますが、発電機とポータブル電源の取扱説明書には使用できる環境温度が次のように書かれています。

分類使用環境温度/動作温度
発電機ガソリン式:0~40℃程度
カセットガス式:5~40℃程度
ポータブル電源-10~40℃程度

カセットガス式発電機で使うブタンガスは、10℃以下の環境では気化しにくくなり、5℃以下では気化しなくなります

ポータブル電源の動作温度が-10℃~となっていますが、寒冷地など寒い場所で使うと電気を一気に使い切ってしまう可能性や、バッテリーの消耗を早める可能性があります。

ちなみにポータブル電源のリチウムイオン電池が最も性能を発揮する温度は25℃前後と言われています。

その他の使用上の注意

機種によって多少違いますが、取扱説明書には次のような使用上の注意が書かれています。

発電機もポータブル電源もそれぞれ水や火、熱についての注意事項があり、どっちもどっちです。

分類使用上の注意
発電機・雨の中や水のかかる場所では使用しない
・周りに危険物や燃えやすいものを近づけない
・建物や設備から1m以上離す
・発電機の周囲を囲ったり箱をかぶせない
・使用中は発電機を傾けたり移動しない
・平坦で安定した場所で使う
ポータブル電源・煙・異音・異臭がある時は使用をやめる
・落としたり破損した場合は使用をやめる
・内部に水や異物が入った時は使用をやめる
・火のそばや炎天下の車内、40℃以上の高温の場所で使用したり放置しない
・水・液体を入れたり、雨などで濡らさない
・ものを載せたり不安定な場所に置かない
・強い衝撃や振動を与えない

2.「使用前」における発電機とポータブル電源の比較

発電機ポータブル電源
燃料の確保・備蓄×
確保必要

確保不要
電気の事前充電
充電不要
×
充電必要
事前の点検×
必要

不要

「使用前」における発電機とポータブル電源の比較をした結果、発電機はポータブル電源より「使用前」にしなければならないことが多いことが分かりました。

発電機を動かすためには、ガソリンやカセットガスなどの燃料を使います。

そのための燃料を確保、備蓄し、使用前には発電機に燃料などを入れて準備する必要があります。

一方ポータブル電源は電気を充電(蓄電)する必要がありますが、充電さえ済めばあとは電化製品をポータブル電源につなぐだけで使えます。

3.「使用後」における発電機とポータブル電源の比較

発電機ポータブル電源
使用後のメンテナンス×
清掃必要
燃料抜き・オイル補給

清掃不要
定期的なメンテナンス
オイル交換/動作点検

電気残量確認・充電

「使用後」における発電機とポータブル電源の比較をした結果、発電機はポータブル電源より「使用後」にしなければならないことが多いことが分かりました。

発電機は燃料を使いエンジンを動かすため、使用後には燃料を抜いて掃除したり、エンジンオイルやスパークプラグなどの部品を確認・清掃・補充する必要があります。

一方ポータブル電源は使用後にすべき清掃や確認、補充などは特にありません。

また、長期間使用せずに保管しておく場合、定期的にメンテナンスをする必要があります。

定期メンテナンスの詳細は取扱説明書に書かれていますが、3ヶ月もしくは6ヶ月に1度程度メンテナンスするのが推奨されています。

発電機は機械を動かして動作確認したり、オイル交換などをして機械の状態を保ちます。

ポータブル電源は追加充電することで自然放電した分を補います。

ありーな

ポータブル電源は6ヶ月で約20%の電池が自然放電されてしまいます。最近の機種は自然劣化がしにくくなってきているとはいえ、長期保管する場合は電池を60~80%残しておくのがおすすめです

まとめ

発電機とポータブル電源について使用中、使用前、使用後に分けて比較した結果、発電機を一般家庭で使うことは不可能という結論になりました。

発電機は「使える電力量の大きさ」「使える電化製品の多さ」など、機能面ではポータブル電源より優れています。

しかし「動作音が大きく」「有毒な排気を出す」ことから、一般家庭の室内で使うことはできません

ガソリンやカセットガスといった燃料を家庭に蓄えておくことも安全面で難しいため、家庭で蓄電機を備えるのはあり得ません。

すなわち一般家庭で自分で電気を確保しようとするのであれば、ポータブル電源とソーラーパネルをセットで購入するのが最善の策となります。

容量別のポータブル電源比較は、こちらの記事をご覧ください

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