ポータブル電源

ポータブル電源の「環境温度」-推奨温度、高温・低温環境でのリスクと対策-

ポータブル電源の環境温度
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みなさんこんにちは ! ありーなです

ありーな

「ポータブル電源の環境温度って何?」「ポータブル電源は暑いところ、寒いところで使えるの?」「高温環境/低温環境で使う時の注意点は?」

そんな疑問にお答えします

記事内にある写真をクリックすると、拡大して見ることができます

ポータブル電源の「環境温度」とは

「環境温度」とは、ポータブル電源が動作できる周辺温度の許容範囲を言います。

取扱説明書などには「充電温度」「使用温度」「保管温度」に分かれて書かれていることが多く、「使用温度」は「動作温度」や「放電温度」ともいわれます。

ポータブル電源の能力を十分発揮し劣化を防ぎ安全に使うためには、環境温度の範囲内で使うことが大切です。

1) ポータブル電源の「使用温度」

「使用温度(=動作温度or放電温度)」は、ポータブル電源を適正に使用できる周辺温度の許容範囲です。

メーカーや機種により異なりますが、-10/20℃~40℃程度に設定されている機種が多くあります。

人気メーカー4社(Anker, Bluetti, EcoFlow, Jackery)で見ると、AnkerとBluettiは低温帯に強く、EcoFlowとJackeryは高温帯強い傾向が見えてきます。

2) ポータブル電源の「充電温度」

「充電温度」は、ポータブル電源を適正に充電できる周辺温度の許容範囲です。

「充電温度」の最低温度は「動作温度」よりも高く、ほとんどは0℃以上に設定されてます

【氷点下の場所でポータブル電源を使う場合は要注意】

ポータブル電源は氷点下でも「使用」できますが、「充電」は困難です。氷点下の場所でポータブル電源を使い、もし電池を使い切ってしまうと、充電したくてもできないという事態に陥りかねません。

「0℃以上の場所」に移動しないと充電できないので、氷点下でポータブル電源を使う人は注意が必要です

3) ポータブル電源の「保管温度」

「保管温度」は、ポータブル電源を適正に保管できる周辺温度の許容範囲です。

人気メーカー4社では、BluettiとEcoFlowの機種で保管できる温度幅が広いのが分かります。

バッテリーの劣化を防ぐためには、保管温度の他にもいくつか注意点があります。

温度以外の注意点にも軽く触れておきます。

【ポータブル電源を保管するときの注意点】

・風通しの良い日陰で保存する

・箱から出した状態でホコリの少ない清潔な場所で保管する

・保管中に自然放電するので、ある電池はある程度入った状態で保管する
 (Ankerは100%充電した状態での保管を推奨、一般的には60~80%)

・バッテリーが自然放電したらこまめに継ぎ足し充電する など

ポータブル電源使用の「推奨温度」

ポータブル電源を動作できる周辺温度の許容範囲として各社「環境温度」を定めており、この温度がいわばメーカー推奨の使用環境です。

しかしメーカーによっては、この「環境温度」の中での更なる「推奨温度」を出しているところもあります。

例えばEcoFlowは使用・充電・保管とも、推奨温度を20~30℃としており、湿度範囲も80%以下を推奨しています。

またBluettiは、理想的な保管温度は10℃以上としています。

高温環境下でポータブル電源を使うときのリスク

次のような高温環境下でポータブル電源を使う時には注意が必要です。

・直射日光が当たる場所での使用

・温度が高温となる車内や閉鎖空間での使用

・熱を発生する機器の近くでの使用 など

ありーな

たとえポータブル電源を定められた環境温度内で使っていたとしても、高温環境下では温度が急激に上昇し、トラブルに発展するリスクがあります

リスク1. ポータブル電源の温度上昇により発火/火災が起きる

温度が高い場所でポータブル電源を使用し続けると、内部でガスが発生し発火・火災に発展するリスクが高まります。

リスク2. バッテリーの劣化・充電能力の低下・電池寿命が短くなる

直射日光が当たる場所や高温な場所でポータブル電源を使っていると、内部温度が徐々に上昇しバッテリーの劣化や充電能力の低下、電池寿命の短縮につながります

また風通しの悪い閉鎖空間などでは、湿気により金属部品の腐食が進み、バッテリーが劣化するリスクがあります。

高温環境下でポータブル電源を使うときの対策

高温環境下でのポータブル電源使用にはリスクがあることを踏まえ、そのリスクを減らすための対策が必要です。

① 直射日光が当たらない場所(日陰)で使用・保管する

ポータブル電源に直射日光が当たると、外側だけでなく内側の温度も急上昇します。

太陽の光が当たらない日陰に置くか、光があたらないような対策が必要です。

② 熱を発する機器などに近づけない

電熱線を使った機器や温風が噴き出る機器、火を使う機器など、家庭内を見回しただけでも熱を発する機器はたくさんあります。

屋外にも熱源や加熱装置は存在するので、熱を発する機器の近くでポータブル電源を使わないように気をつけましょう。

③ 風通しの良い場所での使用、もしくは風を当てて使用する

風通しの悪い場所は、温度だけでなく湿度も上昇します。

風通しの良い場所に置くか人工的に風を作って当てるなどの工夫が必要です。

④ 状況を頻繁に確認するか、できるだけ目を離さない

太陽光のさし具合や閉ざされた空間の温度・湿度などは、短時間で変わることが良くあります。

とくに高温環境下でポータブル電源を使うときは、状況を頻繁に確認するかできるだけ目を離さないようにしましょう。

ありーな

暑く気温の上がる日には、ポータブル電源を水辺で使う機会も増えてきます。高温環境下では温度・湿度だけでなく水のリスクも発生します。水気の多い場所ではポータブル電源に水がかからないように注意すると共に、濡れないようにカバーをかけるなどの対策が必要です

【ポータブル電源の車内放置】

直射日光が当たれば高温になる車内では、温度上昇によりバッテリーの劣化や発火のリスクが伴います。ポータブル電源の車内放置は基本的にNGですが、どうしても放置したい場合は十分な対策が必要です

・日の当たりにくい場所(後部座席足元やトランクなど)に置く
・ポータブル電源の下にすのこなどを敷いて風通しを良くする
・日よけ(サンシェード)や断熱フィルムを付けて直射日光が当たらないようにする
・クーラーボックスや断熱ケースに入れて温度が上がらないようにする
 (但し冷やしすぎはポータブル電源内部に結露を発生させるのでNG)
・窓を少し開けて風通しを良くする
・ポータブルクーラーや扇風機をつけておく など

低温環境下でポータブル電源を使うときのリスク

環境温度内であっても、低温環境下でポータブル電源を使う時には注意が必要です。

気温が低下すると、次のようなリスクが起こり得ます。

リスク1. 常温と比べ、低温環境下では使える電気量が減少する

「使用温度」が-10℃や-20℃のポータブル電源でも、氷点下の低温環境下で使える電気量は常温で使う時と比べると少なくなります

減少量は機種によって違いますが、25℃の常温で使う時と比べ、-20℃の低温環境下において使える電気量が半分になってしまうものもあるほどです。

低温環境下ではバッテリーの電極や電解液の抵抗が大きくなってしまうのが原因の一つと言われています。

リスク2. -10℃以下になると充電できなくなる

-10℃以下で充電できなくなるのは、低温でイオンの動きが鈍くなり、イオン結合が減るためと考えられています。

イオンの動きが悪くなると、バッテリー性能が低下して充電できなくなります。

低温環境下でポータブル電源を使うときの対策

高温環境下でのポータブル電源使用にはリスクがあることを踏まえ、そのリスクを減らすための対策が必要です。

① 低温環境下の状況を事前にイメージし、計画立てて使用する

ポータブル電源を氷点下で使えたとしても、氷点下で充電することは難しくなります。

低温環境下でポータブル電源を使用するときは、あらかじめ充電を済ませるだけでなく、途中で電気が尽きてしまったときの対策も考えておきましょう。

充電できるときに、こまめに継ぎ足し充電しておくことも大切です。

② 使用する場所の温度ができるだけ下がらないように温度調整する

ポータブル電源を使用する場所が氷点下になると、使える電気量が減るだけでなく充電もしづらくなります。

暖房器具などが使えるなら、ポータブル電源を使用する場所の温度管理を行い、無理な場合はポータブル電源自体が冷えないような工夫をしましょう(但しポータブル電源の通風孔をふさいでしまうと、内部に熱がこもりトラブルの原因となるため注意が必要です)。

③ 低温環境で使うと分かっているなら、容量に余裕のある機種を購入する

氷点下の低温環境下では使える電気量が少なくなります。

氷点下の環境でポータブル電源を使うことを想定しているなら、初めから容量に余裕のある機種を選び購入しましょう。

まとめ

今回の記事では「環境温度とは何か」「高温環境下でのリスクと対策は」「低温環境下でのリスクと対策は」などを紹介しました。

ポータブル電源の能力を十分発揮し劣化を防ぎ安全に使うためには、環境温度の範囲内で使うことが大切です。

高温環境下/低温環境下でのリスクを理解し対策をとりながら使えば、ポータブル電源を安全に末永く使うことができます。

ありーな

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