みなさんこんにちは !
4月にRIVER 2Proを買ったばかりなので、DELTA 2Proを立て続けに買うのはさすがに無理だよなぁとあきらめかけている ありーな です
今日発売されたDELTA 2Maxは2000Whを超える大容量ポータブル電源で、定価が25万円を超えることがわかりました
今買えば15%以上の割引が受けられますが、それでも20万円を超える値段です
スペック的に言ったら、その値段でも妥当じゃないの?
という意見はその通りなのですが
DELTA 2Maxをより詳しく知るために、ジャクリの大容量ポータブル電源と比較してみました
ぜひ最後までご覧ください
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目次
DELTA 2 Maxとジャクリの大容量ポータブル電源比較
容量2048Wh、定格出力2000WのDELTA 2 Max と比較するのは、同程度のスペックを持つJackery 2000Pro とJackery 1500Pro の2台です。
これら3台のスペックを比較して注目すべきと思われる個所は青の太字、違いがある点は黒の太字にしています。
そもそも設計思想やコンセプトが違う3台を比較しているため明確な優劣はつけられませんが、比較がしやすいようにあえて印をつけました。
あくまでも参考程度としてご覧ください。
機種名 | DELTA 2 Max | Jackery 2000Pro | Jackery 1500Pro |
発売月 | 2023年5月 | 2022年5月 | 2023年2月 |
定価(税込) | 254,100円 | 285,000円 | 199,800円 |
容量 | 2048Wh | 2160Wh | 1512Wh |
定格出力 (X-Boost使用時) | 2000W (2400W) | 2200W (-) | 1800W (-) |
最大出力 | 4000W | 4400W | 3600W |
サイズ | 497x242x305mm | 384x269x307.5mm | 384x269x307.5mm |
重量 | 23Kg | 19.5Kg | 17Kg |
周波数 | 50Hz/60Hz切替 | 50Hz/60Hz切替 | 50Hz/60Hz切替 |
出力口個数 | 15 | 8 | 8 |
(AC出力) | 6x100V | 3x100V | 3x100V |
(シガーソケット) | 1x126W | 1x120W | 1x120W |
(USB) | 2xUSB-A 各最大12W 2xUSB-A First Charger 各最大18W 2xUSB-C 各最大100W | 2xUSB-A Quick Charger 各最大18W 2xUSB-C 各最大100W | 2xUSB-A Quick Charger 各最大18W 2xUSB-C 各最大100W |
(DC5521) | 2x各最大38W | × | × |
出力波形 | 純正弦波 | 純正弦波 | 純正弦波 |
AC入力 | X-Stream充電 最大1500W 15A | 100V 最大15A | 100V 最大13A |
ソーラー入力W数(最大) (DC) | 11-60V 最大電流15A シングルポート最大500W デュアルポート最大1000W | 11-17.5V(動作電圧)/8A、2ポート電流制限8A 17.5-60V(動作電圧)/12A、2ポート電流制限24A、 合計1400W | 11-17.5V(動作電圧)/8A、2ポート電流制限8A 17.5-60V(動作電圧)/12A、2ポート電流制限24A、 合計1400W |
AC充電時間 | 84分(80%) | 2時間 | 2時間 |
サイクル数 | 3000回以上 | 1000回以上 | 2000回以上 |
ソーラーパネル充電時間 | 2.3時間(1000w) 2.6時間(880W) 2.8時間(800W) | 2.5時間(1200W) 7.5時間(400W) 15時間(200W) | 2時間(1200W) 5時間(400W) 10時間(200W) |
スマホアプリ接続 | Wi-Fi/Bluetooth | × | × |
バッテリー | リン酸鉄リチウムイオン (LiFePO4) | 三元素リチウムイオン | 三元素リチウムイオン |
1Whあたり価格 | 124.07 | 131.94 | 132.14 |
バッテリーマネジメントシステム | 〇 | 〇 | 〇 |
環境温度 | 推奨使用温度: 20度〜30度 使用温度範囲: -10度〜45度 充電温度範囲: 0度〜45度 保管温度範囲: -10度〜45度 (20~30度推奨) | 保管温度:-10度~40度 動作温度:-10度〜40度 充電温度:0度〜40度 | 保管温度:-10度~40度 動作温度:-10度〜40度 充電温度:0度〜40度 |
保証期間 | 2年 最大5年 (保証延長) | 5年 (3年+2年無料延長) | 5年 (3年+2年無料延長) |
エクストラバッテリー:オプション (拡張最大容量) | 6144Wh (最大2台接続) | × | × |
3機種を比較して見えてきたポイント
DELTA 2 Max 、Jackery 2000 Pro、Jackery 1500Pro を比較して見えてきたことをいくつかピックアップして紹介します。
容量・定格出力など基本スペックを比較した結果
容量・定格出力などの基本スペックはJackery 2000Pro、DELTA 2 Max、Jackery 1500Proの順で大きくなっています。
DELTA 2 MaxはX-Boostというエコフロー独自の機能により、消費電力が2400Wの電化製品まで動かすことができます。
【X-Boost】
X-BoostはDELTA 2 Maxの定格出力(2000W)を超える消費電力の電化製品でも、電化製品側の動作電圧を2000W以下に抑えて稼働させることができるようにする技術です。消費電力2400Wまでの電化製品なら動かすことができますが、電化製品側の電圧を2000W以下に下げて動かしているため、その分稼働に必要な時間は長くかかることになります
定格出力が2000Wあれば、家庭にある電化製品のほとんどすべてが使えます。DELTA 2 Maxの出力はX-Boostで2400Wまで上げられますが、実際に使う機会はほとんどないかもしれません。一方、Jackery 1500Proの定格出力は1800Wです。1800Wでもほとんどの電化製品を動かせますが、他2機種と比べると劣ります
サイズ・重量を比較した結果
製品コンセプトの違いもあり、エコフローDELTA 2 Maxはリン酸鉄リチウムイオン電池、Jackery 2000Pro、Jackery 1500Proは三元系リチウムイオン電池を採用しています。
リン酸鉄は三元系と比べると、どうしても大きく重くなってしまうため、DELTA 2 Maxは23Kg、Jackery 2000Proは19.5Kg、Jackery 1500Proは17Kgとかなりの違いがでています。
ポータブル電源をだれが使うのか、どのように使うのかなどによって、「大きさと重さ」に対する評価は変わってきます。
充電速度・充電スペックを比較した結果
ACコンセントからの充電についての比較
DELTA 2 Max をACコンセントから充電した場合、84分で80%まで充電可能です(何分で100%かは不明)。
Jackery 2000Pro、1500Proは満充電まで2時間かかるので、AC充電速度はDELTA 2 Maxが最も急速です。
またDELTA 2 Maxは、壁のACコンセントとソーラーパネル(1000W)の両方を使って充電することも可能です。
その場合の充電速度は43分でを80%まで充電可能で、世界最速を実現しています。
ソーラーパネルによるソーラー充電についての比較
上の表中に「ソーラーパネル充電時間」の項目がありますが、この数値を計測するのに使ったパネルの出力がメーカーによってバラバラです。
そこでソーラー充電の速さをより平等に比較するために、「各メーカーが販売しているソーラーパネル1枚を使った場合」の充電時間を算出しました。
具体的には、エコフローは「220W両面受光型ソーラーパネル」、ジャクリは「SolarSaga 200(200W)」をそれぞれ使った状況を想定します。
その結果は次の通りで、ソーラパネルを使った場合も、DELTA 2 Maxが一番急速に充電できることがわかりました。
ポータブル電源 | 使用するソーラーパネル | 満充電時間 |
DELTA 2 Max | EcoFlow 220W両面受光型 出力:220W | 10.4時間(2.6時間x4) (880Wで2.6時間より算出) |
Jackery 2000Pro | Jackery SolarSaga 200 出力:200W | 15時間 (200W) |
Jackery 1500Pro | Jackery SolarSaga 200 出力:200W | 10時間 (200W) |
表中の「ソーラー入力W数(最大)」の項目は、ポータブル電源に何Wのソーラーパネルをつなぐことができるかを表す数値です。ジャクリの2機種が1400W、DELTA 2 Maxが1000Wとなっており、この数値が大きいほど多くのパネルをつないでソーラー充電することができます。もし仮に最大枚数のソーラーパネルをつないで充電した場合、DELTA 2 Maxは2.3時間(1000W)、Jackery 2000Proは2.5時間(1200W)、Jackery 1500Proは2時間(1200W)で満充電できることになります
ここで紹介した「充電時間」は各メーカーが公表している参考値です。計測に使った機材や環境、天候などによって数値は上下しますのでご注意ください
リン酸鉄と三元系のバッテリーを比較した結果
先ほど紹介したように、DELTA 2 Max はリン酸鉄リチウムイオン電池、Jackery 2000Pro 、Jackery 1500Pro は三元系リチウムイオン電池を採用しています。
リン酸鉄リチウムイオン電池のメリットは高い安全性と長寿命ですのでこの点について比較します。
ポータブル電源の安全性に関する比較
リン酸鉄リチウムイオン電池は、発火や爆発が起こりにくく安全性が高いといわれています。
そのためDELTA 2 Maxの安全性は、リン酸鉄を採用しているだけでも非常に高いと考えられますが、バッテリーマネジメントシステム(BMS)を搭載することでより高いレベルで安全性を実現しています。
一方ジャクリの2機種はリン酸鉄ではなく三元系のリチウムイオン電池を採用しています。
バッテリー自体の安全性では三元系はリン酸鉄に劣りますが、現時点でジャクリはあえてリン酸鉄を採用していないと思われ、ポータブル電源の安全性を保つために別の角度からさまざまな工夫をこらしています。
例えばジャクリはバッテリーマネジメントシステムを搭載するほか、NCM制御機能、耐衝撃設計や耐火素材などを採用することで安全性を高めています。
特にJackery 2000Pro、1500Proのバッテリーマネジメントシステムは、複数のチップを搭載することで過充電や過放電を防止し、温度管理システムを強化することで異常発熱などを確実に防ぐ高度な温度制御を実現しています。
さらにJackery 1500Proでは、ポータブル電源内部の放熱エアエアダクト(特許取得済みのマルチダクト)設計により、従来モデルより冷却効率が30%向上しています。
https://www.sonaelarena.com/jackery-lineup/素材の特性上「三元系」のポータブル電源のほうが「リン酸鉄」より安全性が低いのは確かです。ジャクリのポータブル電源の事故は2020年に1件だけ報告されています。Jackery 700をキャンプで使用した後、自宅で充電をしはじめて6~8時間経過後に異音が出始めその30分後に出火した事故です
ポータブル電源の寿命に関する比較
リン酸鉄リチウムイオン電池は、劣化が少なく長寿命なのも一つの特徴です。
実際、DELTA 2 Maxののサイクル数は3000回以上で、「10年間、毎日ずっと頼れる」というキャッチコピーを使って長寿命を一つの売りにしています。
一方、Jackery 2000Proのサイクル数は1000回以上、Jackery 1500Proは2000回以上です。
リン酸鉄のDELTA 2 Maxのサイクル数と比べると劣りますが、三元系ポータブル電源としては徐々に進化しており、1000回を超えるサイクル数は長寿命といえます(ジャクリのProシリーズ以外の機種のサイクル数は500~800回)。
サイクル数3000回のDELTA 2 Maxのキャッチコピーが「10年間、毎日ずっと頼れる」ということは、サイクル数1000回や2000回のジャクリのポータブル電源でも「多くの人にとっては10年間使える」と考えていいのかもしれません。なぜなら「ポータブル電源を毎日使う」なんて人はそう多くはいないからです。仕事で毎日使う人か車中泊で毎日使う人くらいでしょうか?
静音性を比較した結果
DELTA 2 Max は充電中の動作音が静かというのも売りの一つです。
この機種はAC充電の最大は1500Wですが、スマートフォンのアプリを使ってAC充電速度を変えられます。
WEBで謳われている「30デシベル」という数字は、入力または出力電力が500W未満の場合の数値ですが、「他社ポータブル電源は55デシベル以上」との表記もあり静音性には力を入れているのがうかがえます。
一方、Jackery 2000Pro 、Jackery 1500Pro も静音性にこだわった開発がされており、Jackery 2000Proは53デシベル、Jackery 1500Proは46デシベルという静音性を実現しています。
そのほかの機能を比較した結果
DELTA 2 Maxは、ジャクリ社の2機種にはない次のような機能を有しています。
【DELTA 2 Maxにあってジャクリの2機種にはない機能】
・スマートフォンへの接続・アプリを介した動作管理
・停電時も瞬時(30ミリ秒以内)に切り替えができるEPS機能
・エクストラバッテリー(別売り)連結による容量拡張
・DC5521出力端子
まとめ
エコフロー社とジャクリ社の製品づくりコンセプトが違うため明確な優劣は付けられませんが、数値的にみるとDELTA 2 Maxはほとんどすべての面でジャクリ2機種より優れたスペックを持っていることがわかりました。
充電速度や安全性、長寿命で優れ、スマホアプリでの動作管理やエクストラバッテリーを使った拡張性など便利な機能も備えています。
一方、ジャクリの2機種は三元系リチウムイオン電池を使うことで安全性や長寿命で劣っていますが、携帯性の良さ、ソーラーパネルの拡張性など「あらゆる人に、あらゆる場所で」というジャクリのものづくりビジョンを実現する形の強みを持っています。